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AI API連携 初級

Claude API入門|業務自動化を60分で実装する方法

著者: れん (更新: ) 約15分で読了
#Claude API #Anthropic #Python #業務自動化 #AI API

この記事では、Claude APIを使った問い合わせメール自動分類スクリプトを約60分で構築する手順を解説します。 Pythonの基本がわかれば、コードをコピペするだけで動くように全コードを掲載しています。 AIを業務に導入する全体像から知りたい方は、先に中小企業向けAI導入5ステップをご覧ください。

この記事で作るもの(完成イメージ)

Claude APIとは、Anthropic社が提供するLLM(大規模言語モデル)をプログラムから利用するためのインターフェース(Anthropic API)です。テキスト生成・要約・分類・画像認識など、幅広い業務タスクに対応しています。

この記事では、Claude APIを使って問い合わせメールを自動分類するPythonスクリプトを作成します。メール本文を入力すると、カテゴリ(見積依頼・製品問い合わせ・クレームなど)・要約・緊急度・推奨対応をJSON形式で返すスクリプトです。

前提条件

項目内容
必要なアカウントAnthropicアカウント(無料で作成可能)
必要な知識Pythonの基本(変数、関数がわかればOK)
所要時間約60分
完成物問い合わせメールを「見積依頼」「製品問い合わせ」「クレーム」等に自動分類するスクリプト

準備・環境構築

環境構築とは、Claude APIを利用するために必要なアカウント・ライブラリ・設定ファイルを整える作業のことです。ここではClaude APIの使い方をステップごとに解説します。

Anthropicアカウント作成とAPIキー取得

以下の3ステップでAPIキーを取得できます。

  1. console.anthropic.com にアクセスし、アカウントを作成します
  2. ダッシュボードの「API Keys」メニューを開きます
  3. 「Create Key」をクリックしてAPIキーを生成します(sk-ant- で始まる文字列)

新規登録時に5ドル分の無料クレジットが付与されます。まずは無料枠で試せるので、気軽に始められます。

Python環境のセットアップ

必要なライブラリをインストールします。

pip install anthropic python-dotenv

プロジェクトのルートディレクトリに .env ファイルを作成し、APIキーを記載します。

ANTHROPIC_API_KEY=sk-ant-your-api-key-here

重要: .gitignore.env を追加して、APIキーがGitリポジトリにコミットされないようにしてください。

# .gitignore
.env

Anthropic公式SDKは、環境変数 ANTHROPIC_API_KEY自動認識します。環境変数をセットしておけば、コード内で anthropic.Anthropic() と引数なしで初期化するだけでAPIキーが読み込まれます。

モデル一覧と料金

Claude APIでは用途に応じてモデルを選べます。

モデルモデルID入力料金(/100万トークン)出力料金(/100万トークン)推奨用途
Haiku 4.5claude-haiku-4-5-20251001$1$5大量処理・分類・チャット
Sonnet 4.5claude-sonnet-4-5-20250929$3$15汎用・コード生成・要約
Opus 4.6claude-opus-4-6$5$25高精度な分析・複雑推論

※2026年2月時点の料金です。最新情報はAnthropic公式料金ページをご確認ください。

準備物チェックリスト

準備物状態備考
Anthropicアカウント作成済みconsole.anthropic.com
APIキー取得済みsk-ant- で始まる文字列
Python 3.8以上インストール済みpython --version で確認
anthropicライブラリインストール済みpip install anthropic
.envファイル作成済みANTHROPIC_API_KEYを記載
.gitignore更新済み.env を追加

実装手順

実装手順とは、環境構築が完了した状態から、実際にClaude APIを呼び出してメール分類スクリプトを完成させるまでの一連の作業のことです。

ステップ1: 基本的なテキスト生成

まずは messages.create() の最小構成でClaude APIを呼び出してみます。

import anthropic
from dotenv import load_dotenv

load_dotenv()  # .envファイルから環境変数を読み込み

client = anthropic.Anthropic()  # ANTHROPIC_API_KEY環境変数を自動認識

message = client.messages.create(
    model="claude-sonnet-4-5-20250929",
    max_tokens=1024,
    system="あなたは中小企業の業務アシスタントです。簡潔に回答してください。",
    messages=[
        {"role": "user", "content": "この問い合わせメールを分類してください: 御社の製品Aについて、50個の見積もりをお願いしたいのですが、納期はいつ頃になりますか?"}
    ]
)

print(message.content[0].text)

このコードのポイント:

  • load_dotenv().env ファイルの環境変数を読み込みます
  • anthropic.Anthropic() は引数なしで初期化するだけで、環境変数 ANTHROPIC_API_KEY を自動認識します
  • system パラメータで、AIの役割や回答ルールを事前に指示できます
  • model にはモデルIDを指定します。コストを抑えたい場合は claude-haiku-4-5-20251001 に変更してください

ステップ2: 業務自動化の実装例(問い合わせ分類)

本記事のメインとなる、問い合わせメールを自動分類するスクリプトです。systemプロンプトで分類ルールを定義し、JSON形式で結果を返すように実装します。

import anthropic
import json
from dotenv import load_dotenv

load_dotenv()

client = anthropic.Anthropic()

def classify_inquiry(email_body: str) -> dict:
    """問い合わせメールを分類・要約する"""
    message = client.messages.create(
        model="claude-haiku-4-5-20251001",
        max_tokens=512,
        system=(
            "あなたは中小企業の問い合わせ対応AIです。"
            "メール本文を分析し、以下のJSON形式のみで返してください:\n"
            '{"category": "見積依頼|製品問い合わせ|クレーム|その他",'
            ' "summary": "50文字以内の要約",'
            ' "urgency": "高|中|低",'
            ' "suggested_action": "推奨対応"}'
        ),
        messages=[
            {"role": "user", "content": email_body}
        ]
    )
    return json.loads(message.content[0].text)

# 使用例
sample_email = """
お世話になっております。
先日ご提案いただいた業務システムについて、
正式に見積もりをお願いしたく、ご連絡いたしました。
納期は来月末を希望しております。
"""

result = classify_inquiry(sample_email)
print(json.dumps(result, ensure_ascii=False, indent=2))

実行結果の例:

{
  "category": "見積依頼",
  "summary": "業務システムの正式見積もり依頼。納期は来月末希望。",
  "urgency": "中",
  "suggested_action": "見積書を作成し、納期の可否を確認して回答する"
}

このコードのポイント:

  • 大量の問い合わせを処理するため、コストの低い Haiku 4.5 を使用しています
  • systemプロンプトでJSON形式の出力ルールを厳密に定義しています
  • json.loads() でレスポンスを辞書型に変換し、後続の処理(メール振り分け、通知など)に活用できます

他のAI APIとの違いが気になる方は、OpenAI API入門Gemini API入門もあわせてご覧ください。

ステップ3: ストリーミングレスポンス(長文マニュアル要約用)

長い文書を要約する場合、ストリーミングを使うとリアルタイムに結果を表示できます。社内マニュアルの要約など、出力が長くなるタスクに適しています。

import anthropic
from dotenv import load_dotenv

load_dotenv()

client = anthropic.Anthropic()

manual_text = """
(ここに社内マニュアルの本文を貼り付けてください。
例: 就業規則、業務手順書、製品マニュアルなど)
"""

with client.messages.stream(
    model="claude-sonnet-4-5-20250929",
    max_tokens=2048,
    system="あなたは社内マニュアルの要約担当です。要点を箇条書きで抽出してください。",
    messages=[{"role": "user", "content": manual_text}]
) as stream:
    for text in stream.text_stream:
        print(text, end="", flush=True)

このコードのポイント:

  • messages.stream() を使うと、レスポンスが生成されるたびにリアルタイムで出力されます
  • ユーザーが待ち時間を感じにくくなるため、長文の要約やレポート生成に適しています
  • max_tokens=2048 で十分な長さの要約を生成できます

動作確認・トラブルシューティング

トラブルシューティングとは、コードを実行した際に発生するエラーや問題を特定し、解決する作業のことです。

テスト手順

  1. ターミナル(コマンドプロンプト)を開きます
  2. プロジェクトのディレクトリに移動します
  3. python ファイル名.py で実行します
  4. JSON形式の分類結果が表示されれば成功です

よくあるエラーと解決策

エラー原因解決策
AuthenticationErrorAPIキーが未設定または無効.env に正しいAPIキーが記載されているか確認。load_dotenv() の呼び出しを確認
RateLimitError (429)リクエスト頻度の超過time.sleep(1) でリトライ間隔を設定。Tier昇格を検討
BadRequestError (400)max_tokens超過や不正なパラメータモデルのコンテキスト長を確認し、パラメータを見直す
ModuleNotFoundErroranthropicライブラリ未インストールpip install anthropic python-dotenv を実行
APIConnectionErrorネットワーク接続の問題インターネット接続を確認。企業プロキシがある場合は設定を確認
json.JSONDecodeErrorAIの出力がJSON形式でないsystemプロンプトでJSON出力を再度明示。リトライ処理を追加

コスト試算(中小企業向け月額目安)

業務モデル月間件数月額目安
問い合わせ分類(短文)Haiku 4.5500件約100円
議事録要約(長文)Sonnet 4.550件約200円
マニュアル検索BotSonnet 4.5200件約500円

※2026年2月時点の概算です。実際の料金はトークン量により変動します。最新料金はAnthropic公式料金ページをご確認ください。

応用・カスタマイズ例

応用・カスタマイズとは、本記事で作成した基本のスクリプトをベースに、より高度な業務自動化へ発展させることです。

Claude独自機能の紹介

Claude APIには、他のAI APIにはない独自機能があります。

  • Extended Thinking: 複雑な推論タスクで思考プロセスを拡張し、精度を高める機能です。契約書のリスク分析や複雑な計算を伴う業務に活用できます
  • Vision(画像入力): 画像をAPIに直接送信して解析できます。名刺や領収書の画像からテキストを抽出する業務に適しています
  • PDF読み取り: PDFファイルを直接読み込んで内容を分析できます。社内マニュアルや契約書の要約に便利です
  • Tool Use: 外部APIやデータベースと連携し、AIが必要な情報を取得しながら回答できます。在庫データを参照した顧客対応などに活用できます

中小企業での活用アイデア

本記事のメール分類スクリプトを応用して、さまざまな業務を自動化できます。

  • 日報の自動要約: 社員が入力した日報をClaude APIで要約し、経営者向けのダイジェストを自動生成
  • 顧客対応テンプレート生成: 問い合わせ分類の結果に応じて、返信テンプレートを自動作成
  • GASとの連携: Google Apps Scriptと組み合わせて、Gmailの受信メールを自動分類。詳しくはGASでできること完全ガイドを参照してください
  • 複数AI APIの使い分け: タスクに応じてClaude API・OpenAI API・Gemini APIを使い分ける戦略も有効です

AI開発ツールの選び方についてはAI開発ツール比較で詳しくまとめています。

AIを業務に組み込む全体像を知りたい方は、中小企業向けAI導入5ステップをぜひご覧ください。

よくある質問

Claude APIの料金はどのくらいですか?

Claude APIは従量課金制です。Haiku 4.5は入力$1/出力$5(100万トークンあたり)、Sonnet 4.5は入力$3/出力$15、Opus 4.6は入力$5/出力$25です。新規登録で5ドル分の無料クレジットが付与されるため、月500件の問い合わせ分類なら月額約100円で運用できます(2026年2月時点。最新料金は公式サイトをご確認ください)。

Claude APIとOpenAI API(ChatGPT API)の違いは何ですか?

Claude APIはAnthropic社が提供しており、最大100万トークンの長文処理と指示追従性の高さが特徴です。OpenAI APIはエコシステムの幅広さとFunction Callingの充実が強みです。中小企業の文書処理・要約・分類タスクにはClaudeが適している場合が多いです。詳しくは当サイトの「OpenAI API入門」記事もあわせてご覧ください。

Claude APIに無料枠はありますか?

新規アカウント登録時に5ドル分の無料クレジットが付与されます(2026年2月時点)。APIキーの取得自体は無料で、クレジットを使い切るまでは課金なしで利用可能です。クレジット消費後は従量課金に移行しますが、コンソールで月間予算の上限設定もできます。

プログラミング初心者でもClaude APIを使えますか?

Pythonの基本(変数や関数の書き方)がわかれば、本記事のコードをコピペして動かせます。Anthropic公式SDKが複雑な処理を内部で処理してくれるため、わずか10行程度のコードでテキスト生成が可能です。まずは本記事のステップ1のサンプルコードをそのまま実行してみてください。

APIキーの安全な管理方法は?

環境変数(ANTHROPIC_API_KEY)で管理するのが基本です。.envファイルにAPIキーを記載し、python-dotenvで読み込みます。.gitignoreに.envを追加してGitリポジトリにコミットされないようにしてください。Anthropic公式SDKは環境変数を自動認識するため、コード内にAPIキーを直接書く必要はありません。

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